大分県事業承継・引継ぎ支援センター メールマガジン
 
■家族で話す、事業の未来■おおいた事業承継・引継ぎニュース Vol.73《定期便:2026年8月3日号》
このメールは、本メールマガジンにご登録いただいている方の他、大分県事業承継ネットワーク構成機関において事業承継支援に携わっておられる職員や士業の方など、当センターに関わりのある皆さまにお送りしております。
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こんにちは。大分県事業承継・引継ぎ支援センター メールマガジン「おおいた事業承継・引継ぎニュース」編集長の”承継太郎”(しょうけいたろう)です。

 8月に入り、夏の盛りを感じる毎日となりました。お盆を迎えるこの時期は、ご家族やご親族と近況を語り合う機会も増える頃ではないでしょうか。

 今号では、そんなひとときを「会社や事業のこれから」について考えるきっかけにしていただけるような話題をお届けします。研修会やシンポジウムのご案内、事例動画、無料相談会、支援事例コラムなど、気になる記事からぜひご覧ください。

≪ 今号の目次 ≫
■センター便り:お盆を事業承継を考えるきっかけに
■トピック1:自治体職員向け事業承継支援研修会を開催しました
■トピック2:【開催案内】おおいた事業承継・引継ぎシンポジウム2026
■お知らせ1:今年度最初の事例紹介動画を公開しました!【株式会社シンシアリー様】(親族内承継)
■お知らせ2:無料相談会のご案内
■コラム:事業承継支援の現場から
■編集後記

■センター便り:お盆を事業承継を考えるきっかけに
8月はお盆を迎え、ふだんは離れて暮らすご家族やご親族が集まる機会が増える時期です。近況を語り合うその時間に、少しだけ「会社や事業のこれから」について話してみませんか?

事業承継というと、「まだ先のこと」「家族には話しにくいこと」と感じられる方も少なくありません。しかし、誰に、いつ、どのように事業を引き継ぐのかを考えるには、想像以上に時間がかかります。後継者候補の想い、従業員や取引先への影響、株式や資産の承継、相続との関係など、早めに整理しておくことで、将来の選択肢は大きく広がります。

とはいえ、最初から結論を出す必要はありません。まずは「将来、この事業をどうしていきたいか」「家族としてどのように関わっていけるか」「困ったときに誰へ相談できるか」といった話題から始めてみてください。お盆の穏やかな時間だからこそ、日頃は切り出しにくい想いも、自然に共有できるかもしれません。

大分県事業承継・引継ぎ支援センターでは、親族内承継、従業員承継、第三者承継など、それぞれの状況に応じたご相談をお受けしています。「まだ具体的ではない」「家族と話す前に整理したい」という段階でも構いません。大切な事業を次の世代へつなぐための第一歩として、この8月、ご家族で事業承継について話し合う機会をつくってみてはいかがでしょうか。

■トピック1:自治体職員向け事業承継支援研修会を開催しました
大分県事業承継・引継ぎ支援センターでは、令和8年7月15日(水)、中小企業会館6階大ホールにおいて「自治体職員向け事業承継支援研修会」を開催しました。本研修は、県内の事業承継を取り巻く現状を共有し、市町村の皆さまと地域における支援のあり方を考えることを目的として実施したものです。当日は、自治体職員17名を含む計34名が参加し、講演、事例発表、意見交換を通じて、黒字でありながら廃業を検討する「あきらめ廃業」への対応や、早期の気づき支援、関係機関との連携の重要性について理解を深めました。

当センター高橋正幸統括責任者からは、経営者の高齢化や後継者不在、M&Aの加速など、中小企業を取り巻く環境が大きく変化していることを踏まえ、事業承継支援の必要性について説明がありました。特に、自治体の皆さまには、日常の相談対応の中で事業者の悩みに早く気づき、課題を抱え込ませず、当センターや商工団体、金融機関などの適切な支援機関へ早期につなぐことの重要性が伝えられました。

・県内の現状と自治体への期待

当センター竹島義簡承継コーディネーターからは、県内における相談状況や関係機関との連携状況について報告しました。令和7年度の累計診断実績は26,887社に達していること、また、自治体には専門機関へつなぐ「ハブ機能」と、早期の相談を促す「意識啓発機能」が求められることを説明しました。

株式会社帝国データバンク大分支店長宮崎喜幸氏からは、休廃業・解散が倒産件数を大きく上回っていることや、大分県内でも休廃業が高水準で推移していることが報告されました。後継者不在率は改善傾向にあるものの依然として高く、地域における早期の事業承継支援の必要性が示されました。

中小企業事業承継・引継ぎ支援全国本部 プロジェクトマネージャー中原邦氏からは、M&A市場の変化や今後の重点施策について報告がありました。M&Aの対象が団塊ジュニア世代へ広がっていること、また、再生型M&Aや地域のエッセンシャルサービスを支える事業者への支援が重要であることが紹介されました。小規模案件では、まず公的機関である当センターを活用することの有効性も説明されました。

本研修では、事業承継における「地域の自走化」や、各支援機関との顔の見える関係づくりの重要性が改めて強調され、各自治体が地域の事業者の相談窓口(ハブ)として機能し、早期の意識啓発と実態把握を図ることが不可欠であることが再認識されました。
本研修で共有した情報、課題を踏まえ、9月16日(水)に開催する【おおいた事業承継・引継ぎシンポジウム】では各機関が連携して、地域に必要な事業を次世代へつなぐための具体的な進め方を考ていきます。

■トピック2:【開催案内】おおいた事業承継・引継ぎシンポジウム2026
地域の未来を、承継でつなぐ。

おおいた事業承継・引継ぎシンポジウム2026では、「地域を守る事業承継の自走化」をテーマに、市町村、金融機関、および支援機関が連携し、地域に必要な事業を次世代へつなぐための具体的な進め方を考えます。基調講演とパネルディスカッションを通じて、早期の気づき、相談への橋渡し、承継後の伴走支援まで、地域で支える事業承継のあり方を共有します。

開催概要
・ 日時:令和8年9月16日(水)13:30~16:00
・ 場所:J:COMホルトホール大分 2F セミナールーム
・ 開催形式:会場開催
・ 定員:50名程度
・ 参加費:無料
・ 対象:大分県内の中小企業・小規模事業者、後継者候補、第三者承継に関心のある方、
  商工団体・金融機関・士業・自治体等の支援機関担当者

主な内容
・ 基調講演「地域を守る事業承継支援の自走化と関係機関の役割(仮)」
・ パネルディスカッション「地域の自走化を進めるには何が必要か(仮)」
・ 4機関連携による施策説明

登壇者等
基調講演者・コーディネーター:打田 委千弘 氏(愛知大学経済学部 教授)
パネリストは、商工団体・自治体、金融機関・信用保証協会、県内経営者・後継者、士業・専門家等から調整予定です。

事業承継を先送りせず、自社と地域の未来を考えるきっかけとして、ぜひご参加ください。詳細につきましては、後日改めて当センターホームページ、開催案内チラシ、本メールマガジン9月号にてご案内します。

本シンポジウムへの参加には事前のお申込みが必要です。
詳細につきましては、電話または当センターのフォームよりお問い合わせください。

■お知らせ1:今年度最初の事例紹介動画を公開しました!【株式会社シンシアリー様】(親族内承継)

大分県事業承継・引継ぎ支援センターでは、事業承継のヒントや気づきを得ていただくため、県内企業の実際の事例動画を毎年3~5本制作し、公開しています。今回は、今年度第一弾となる事例動画公開のお知らせです!

今回ご紹介するのは、日田市で障害者就労支援事業などを展開する「株式会社シンシアリー」様です。創業者である母・平川加奈江会長から、長男・平川智也社長への事業承継の歩みに迫りました。

幼い頃から「誰かの役に立ちたい」と警察官を志していた智也社長ですが、怪我による挫折を経て帰郷。母の誘いで家業を手伝う中で、福祉事業こそが「誰かの役に立てる仕事」であることに気づきます。加奈江会長は息子を真の経営者へと育てるため、日本酒づくりの新プロジェクトを任せるなど自主性を促す環境を整えました。

当センターでは、計画的な承継に向けてサポート。「私が社長でいる限り息子は成長機会を失う」という加奈江会長の哲学を反映し、代表権を持ちつつ息子を支える伴走支援型の事業承継計画を策定しました。智也社長は県のアトツギ向けプログラム等にも参加し、経営者としての自信を深め、2025年4月に社長へと就任されました。親子の温かい絆と成長の軌跡を、ぜひ動画でご覧ください!
また、平川智也社長には、8月に開催する当センター主催「おおいた後継者塾2026」の第1日目(8月19日)にご登壇いただき、先輩後継者として体験談をお話しいただきます!

同世代の仲間と学び合い、経営者として頼もしく成長した実体験を生で聞きたい方は、ぜひご参加ください。経営に関する知識やノウハウを体系的に学びたい後継者の方におすすめです。

【おおいた後継者塾2026 開催概要】
・ 日時:2026年8月19日(水)、26日(水) 9:30~16:30(1日のみの受講も可能)
・ 会場:J:COMホルトホール大分 2F セミナールーム
・ 受講料:無料
・ 申込締切:2026年8月7日(金) 

■お知らせ2:無料相談会のご案内
事業承継について考え始めると、後継者のこと、会社やお店の将来、株式や税金、従業員の雇用、親族内承継や第三者承継(M&A)など、気になることが少しずつ増えてくるものです。一方で、「まだ誰に相談する段階なのか分からない」「具体的な話になる前に、まずは整理したい」という方も多いのではないでしょうか。

そのようなときは、当センターの無料相談会をぜひご活用ください。

1. 自治体無料相談会(オンライン申込可)
各市町村で開催している事業承継出張相談会では、お近くの市役所・町役場などで事業承継についてご相談いただくことができます。これまでの電話申込に加え、オンライン申込も始まり、よりお申込みいただきやすくなりました。相談は個室で行いますので、周囲を気にせず、落ち着いてお話しいただけます。

大分県事業承継・引継ぎ支援センターの専門家が、中立・公正な立場で、現在のお悩みや今後の方向性について一緒に考えます。

2.税務・法律無料相談会

事業承継では、想いや経営の引継ぎだけでなく、税務や法律に関する確認も大切になります。相続税、贈与税、株価対策、会社法、契約など、専門的な内容について不安がある場合は、税務・法律相談会をご利用ください。

税理士や弁護士などの専門家に直接相談できる絶好の機会です。毎月定期的に開催していますので、専門的な内容で気になる点を早めに確認しておく場としてご活用いただけます。
3.センター常設相談
大分市金池町の当センター事務所でも、随時ご相談を受け付けています。事業承継の基本的な進め方、後継者に関するお悩み、親族内承継や第三者承継(M&A)など、ご相談内容に応じて丁寧にお話を伺います。

事業承継は、考え始めるタイミングが早いほど、選択肢を広く持つことができます。「今すぐ承継するわけではないけれど、将来のために話を聞いてみたい」という方もどうぞお気軽にご相談ください。

※センター常設相談はお待たせしないために「完全予約制」となっておりますので、事前の予約をお願いいたします。
大切な会社やお店、従業員の雇用、地域に根ざした技術やサービスを次の世代へつないでいくために、まずはお気軽に相談の一歩を踏み出してみませんか?

■コラム:事業承継支援の現場から
今年度のメールマガジンでは、当センターが実際に行っている事業承継支援の内容を、支援事例コラムとしてご紹介していきます。

事業承継と一口に言っても、その形は会社ごとにさまざまです。後継者を探すところから始まるケースもあれば、すでに後継者が日々の経営を担っているものの、株式や代表者変更、親族間の整理などがこれから、というケースもあります。今回は、県内で建設業を営む家族経営の法人に対する、親族内承継の支援事例をご紹介します。なお、事業者が特定されないよう、一部内容や表現を調整しています。

この会社の代表者は80代でご高齢ですが、長年にわたり長男である後継者が実質的に会社の経営を担ってきました。現場対応や取引先とのやり取り、日々の経営判断など、会社運営の中心的な役割をすでに果たしています。そのため、周囲から見ると「もう事業承継はできているのでは」と思える状況でした。しかし、事業承継は、日々の仕事を任せるだけで終わるものではありません。代表者変更の登記、株式の移転、財務状況の確認、親族間での話し合い、将来の相続への備えなど、あらためて確認しておきたいことがいくつもあります。

当センターへのご相談は、地域の支援機関からの紹介がきっかけでした。最初の面談で、後継者から会社のこれまでの経緯や現在の経営体制、今後予定している代表者変更、そして「センターに相談したいこと」についてお聞きしたところ、代表者変更や許認可に関係する手続きについては、顧問専門家との連携により、ある程度見通しが立っていた一方で、株式や資産の承継、会社の財務面の整理については、「第三者の立場から一度アドバイスを受けたい」というご希望がありました。

そこで当センターでは、決算書などを確認したうえで、登録専門家である税理士の派遣につなげました。専門家派遣では、会社の現状や今後の課題を丁寧にお聞きしながら、株式の状況、親族関係、役員借入金などについて、一つひとつ整理していきました。その結果、株式移転を進めるタイミングや、将来の相続時に課題となる可能性がある点などが見えてきました。その後、専門家が作成した事業承継計画をもとに、後継者と今後の方向性を共有し、株式移転、役員変更、役員借入金の返済などを段階的に進めていく流れを確認しました。

今回の支援では、長年にわたり後継者が実質的に経営を担ってきた会社について、正式な承継に向けた課題を整理し、今後の道筋を見える形にすることができました。「代表者を変更すれば終わり」ではなく、株式、財務、親族関係、これからの経営の方向性まで確認することで、後継者が安心して次の経営体制へ進むための準備につながったと考えています。

事業承継は、「まだ相談するほどではない」と感じている段階でも大丈夫です。むしろ、早めに話してみることで、今後何を確認すればよいのか、どの順番で進めればよいのかが見えてくることがあります。支援機関や金融機関の皆さまにおかれましては、管内の事業者から事業承継に関するお話があった際には、ぜひ当センターへのご紹介をご検討ください。また、県内事業者の皆さまも、少しでも気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

■編集後記
今月号も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

今回は、「家族で話す」「地域で支える」「実例から学ぶ」「相談につなぐ」という流れを意識して編集しました。

しかしながら事業承継は家族だけで結論を出す必要はありません。今号でご紹介したシンポジウム、無料相談会、事例動画などは、いずれも「考えるきっかけ」や「相談につながる入口」として活用いただけるものです。編集しながら、支援の形は一つではなく、必要なタイミングで必要な場所につながることが大切だと改めて感じました。

これからも、皆さまの事業承継の一歩を後押しできるよう、身近で役立つ情報をお届けしてまいります。

それではまた次号(9月1日配信予定)をお楽しみに!(承継太郎)

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発 行:大分県商工会連合会|大分県事業承継・引継ぎ支援センター
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電 話:097-585-5010 [受付時間] 平日 9:00-17:00
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